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日本水産、岩手・広田湾に初の大型自動給餌バージを導入、2030年のサーモン生産量目標を1万トンに引き上げ

日本水産(Nissui)は岩手県陸前高田市の広田湾にグループ初の大型自動給餌バージ「Salmon Star X」を配備した。同船はノルウェーのAKVA groupが建造し、飼料貯蔵能力は200トン。11月中旬に商業運転を開始し、2030年に国産サーモン生産量を1万トンへ引き上げる目標を支える。

日本水産株式会社(Nissui)は、岩手県陸前高田市の広田湾にあるサーモン養殖場に、グループ初の大型自動給餌バージを配備した。この浮体施設は「Salmon Star X」と命名され、傘下の運営子会社である日本水産サーモン株式会社(Nissui Salmon Co., Ltd.)が運営管理を担う。日本水産グループが国内の養殖拠点にこの規模の給餌バージを導入するのは初めてとなる。

日本水産が2026年11月4日に発表した公式プレスリリースによると、同バージは最終的な技術調整を終えた後、11月中旬に通常の商業運転に入る予定だ。このスケジュールは広田湾の新たな海面養殖サイクルと連動しており、2026年11月5日には大西洋サケ(Salmo salar)の稚魚が海上生簀への移送・投入を開始している。

「Salmon Star X」はノルウェーの養殖技術サプライヤーAKVA group ASAが設計・建造した。全長約22メートルで、最大200トンの乾燥ペレット飼料を貯蔵できる自動サイロを備える。飼料はこの海上ハブから専用配管とホース網を通じて、周辺の生簀へ遠隔で計量供給される。この仕組みは従来の手作業による給餌方式を置き換えるもので、これまでは輸送船が毎日港の埠頭から飼料を各生簀に設置された小型自動給餌器まで運んでいた。養殖バイオマスの増加に伴い、こうした作業の頻度と燃料消費は増え続けていた。

「Salmon Star X」が本格稼働すると、当該養殖場は最長6日連続で帰港・補給なしに自律的な給餌が可能となる。具体的な作業余裕は日々の給餌率と飼育中のバイオマスに応じて調整される。

日本水産の経営陣は、給餌作業の集中化により海上での人工作業時間と船舶の出動回数が大幅に削減されるとしている。補助船の数を減らし、陸上の埠頭と海上生簀の間の航行距離を短縮することで、グループは軽油消費と作業に伴うCO2排出が直ちに減少すると見込む。さらに、配管による搬送設備は、うねりが大きい場合や悪天候時にも飼料供給の継続性を確保できる。従来はこうした天候が船舶の接岸や手作業での積み込みに影響していた。飼料はサーモン養殖における最大の単一運営コストだが、日本水産は財務上の節減額、飼料転換率(FCR)の改善、正味排出削減量についての定量的な予測をまだ公表しておらず、これらの運営指標は生産の進展に伴い順次評価するとしている。

広田湾でのこのインフラ投資は、国産サーモン生産量を2025年見込みの約4,100トンから2030年に1万トンへ引き上げるという日本水産の国内サーモン長期戦略を支えるものだ。この生産量の実現は2025年基準比で約144%の拡大、生産量にして2.4倍への増加を意味する。この資本拡張計画には、直径約50メートルの大型円形生簀の設置や、グループの日本国内の他の海面養殖拠点への給餌バージ追加の検討も含まれる。

このプロジェクトを実行する子会社は2026年4月1日に企業再編を完了し、旧商号「弓浜水産株式会社」(Yumigahama Suisan Co., Ltd.)から日本水産サーモン株式会社へと社名を変更した。この統合を通じて、日本水産は国内のスーパーマーケット、水産小売チャネル、そして飲食・寿司チェーン向けのブランド化された供給を強化したい考えだ。これらのチャネルでは国産養殖サーモンへの需要が堅調に推移している。

2026年11月2日、グループは広田漁港で伝統的な海上安全の神道儀式を執り行い、その後11月中旬の商業運転に向けた準備を進めた。同プロジェクトは、日本の海面養殖分野にノルウェーの先進的な養殖技術を応用する模範事例と位置づけられている。

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